エレファンテック 技術ブログ

フレキシブル基板(FPC)製造開発ベンチャー企業 エレファンテック(旧:AgIC)株式会社の技術ブログです。

フレキシブル基板(FPC) P-Flex™の電流値と発熱の関係について

これまでに普通のプリント基板(リジッド基板)やフレキシブル基板(FPC)を設計したことがある方から、エレファンテックのフレキシブル基板(FPC)における許容電流値に関する質問をよくいただきます。

エレファンテックが製造するフレキシブル基板であるP-Flex™はピュアアディティブ™法で作られており、サブトラクティブ法によって作られる基板に比べ製法上銅膜厚を厚くすることが得意ではありません。そのため現在(2017年12月)では標準の銅膜厚は3μmとなっており、リジッド基板の一般的な銅膜厚の18μmや35μm、FPCの一般的な銅膜厚である12μmや18μmと比べて薄いため、許容電流値はそれらと比べると低いです。

本記事ではエレファンテックのFPCであるP-Flex™に電流を流した際の発熱から許容電流値の参考データを提供いたします。

 

P-Flex™の電流値と発熱の計測結果

上のグラフが導体幅を0.2~10mm、導体厚さを標準の3μm狙いで試験片を作成した際の電流値と温度上昇の関係で、下のグラフは点枠線の拡大図です。何度までの温度上昇を許容するかは設計者や用途にもよりますが、概ね10~20°C以内とすることが多いので、その時の電流値を許容電流値としてお考え下さい。

回路パターンの発熱は周囲の状況によって大きく変化しますが、本測定は下の試験方法に示す通り、風が当たらない環境で測定したため比較的厳しい条件を想定しており、実際の使用時の参考とすることができると考えられます。ただし、本データは個別の回路パターンの許容電流値や発熱を保証するものではありませんのでご注意ください。

導体幅と各上昇温度における電流の関係(拡大図)

 

この許容電流値で使用可能な回路用途

このグラフを参照すると、例えば許容温度上昇を10°Cとし、パターン幅0.8mmの場合、0.5Aまでの電流を流すことができます。この電流値では大きい負荷のかかるモーターを回すことは難しいかもしれませんが、携帯電話に使われるような小型の振動モーターは問題なく動かせると考えられます。さらに一般的なマイコン回路、加速度センサーやWi-Fiモジュールなども数百mA程度の電流しか必要としないため、ディジタル回路や各種のセンサーを使用した回路には十分利用することができます。

本データ計測時の試験方法

測定試験片はP-Flex™の標準仕様である3μm銅膜厚となるように作成した下記の図のようなものを用いました。導体幅は0.2, 0.4, 0.8, 1.5, 3.0, 6.0, 10mmの7種類です。各試験片は3本ずつ作製し計測結果はそれらを平均しております。本試験片に、室温雰囲気から所定の上昇温度(+10~+40°C)となるように電圧を印加し、その際の電流値を記録しました。電流を流す際は、左右の固定冶具に試験片で橋渡しをする形で設置し、計測部には何も接触させず、かつ空調などの風が当たらないような覆いをし、発熱における自然対流のみが発生する状況としました。温度計測をするために、試験片裏面にはあらかじめ黒体スプレーにて黒色塗装を施し、計測には赤外線サーモグラフィを用いました。

試験している様子の絵

※試験している様子の絵

発熱と許容電流値の一般的な知見

今回エレファンテックではこのような電流試験をしましたが、一般的に許容電流値を算出する際にも同様の試験が行われています。度々参考にされるのは米国MIL規格のMIL-STD-275E[1]やプリント回路協会のIPC-2221[2]などが提供している各導体断面積における電流と発熱の関係のグラフです。こちらを調べていただくと分かりますが、インチ系で記載されているので、日本国内向けですとパナソニック株式会社が提供しているデータ[3]のようにミリ系に換算されたものも見つかります。このようなデータも設計の参考になりますが、測定されたデータがP-Flex™の基材や導体の厚みのもの離れているため今回はより弊社のフレキシブル基板(FPC)の実情に即した試験を実施しました。

 

参照

 

(竹尾 淳司)

   

 

エレファンテックのフレキシブル基板(FPC)P-Flex™ については下記ページをご覧ください。

 

   

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